「駆け込み商店街」へようこそおいで下さいました。遠路はるばるの人生の旅にさぞお疲れのことでしょう。まずは店先の古びた椅子に腰をかけて足を休めながら、渋いお茶、それとも濃いコーヒーになさいますか?
えっ?要らないのですか。それどころじゃない!ですって? そうですか、よくわかりました。じゃー、私は奥に引っ込みますから、ご用があれば大きな声で呼んで下さいね。 この歳になると耳が遠いものでね。初老の店主は立ち去った。
わたしがこの店に来たのはインターネットのグーグルという検索エンジン経由だった。なぜ来のかはよく分からないけど、何しろわたしは色々な面で行き詰まりかけていた。

しかし、それにしてもこの店は何か変だ。店内を見渡しても何も無いし、商店街だというのに隣は畑や田んぼばかりで店などない。キツネにつままれたのかも知れない、狸にだまされたのかも知れない。
しばらくの時間が過ぎると、わたしはのどの渇きを感じた。店の入り口の横に水道の蛇口が見えた。わたしは昔よくやったように蛇口に下から口を当てて水を飲んだ。昔の井戸水のような味がした。
何も買うものが無い店にいつまでいても仕方がなかった。
店主も現れる様子がないし、わたしは椅子に身体を預けたまま眠ってしまった。
どれほどの時間眠ったのか、わたしは店主に起こされた。
で、何をお求めでしたかな? 店主がわたしに聞いた。そうだ、わたしがここに来たのは、わたしの行き詰まりかけた人生を何とか出来ないものかと考えたからだった。わたしは今の自分のひどい経済状態を店主に話してみることにした。
「実は、バクチで資産をほとんど失いました。もう、生きることが嫌になって」
「私は今、毎月4万円で暮らしているが、あんたは?」
「給料が20万円しか無くて、とても暮らせない状態です」
「何でそんなにかかるのかね?」

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